長寿命化修繕計画策定の目的
■背景
山中湖村の道路網は、山中湖を周回する国県道および他地域へと放射線状に伸びる国県道が基幹道路となっています。
この基幹道路から山中湖村道が分岐しており、中小河川を渡河する橋が点在しています。
これらの橋は、村民の生活基盤を形成しているだけでなく、別荘地や民宿、ペンションなどを訪れる観光客にも多く利用されています。
山中湖村が管理する橋は、平成25年度末現在で30橋あります。
この30橋のうち、推定を含めて既に建設後50年以上を経過した橋は、今のところ1橋もありませんが、20年後の平成45年度には70%となり、建設後50年以上経過する橋が半数以上を占めることとなります。
一般に橋の耐用年数は50年から60年程度であることから、傷みがひどくなってから修繕工事を行うといった、これまでのような対症療法的な維持管理を続けた場合、橋の修繕工事や架替え工事に関する費用が、急激に増加していくことが予想されます。
■目的
このような背景から、限られた予算の中でより効率的に橋を維持していく取り組みが必要となっています。
そこで山中湖村では、アセットマネジメント手法※1の導入により、従来の対症療法型(事後保全型)管理※2から予防保全型(長寿命化型)管理※3へと管理手法を転換することにより、コストの縮減を図りながら、橋の健全性の低下を防止し寿命を延ばすことで、安全性・信頼性を確保した道路サービスを恒久的に提供するために、橋の長寿命化修繕計画を策定することとしました。
※1 アセットマネジメント手法
道路橋を資産として捉え、その資産の状態を定量的に把握・評価して、中長期的な予測を行い、限られた予算制約の中で求めるサービス水準を確保するために、いつどのような対策を行うのが最適であるかということを決定し実施していく総合的な管理手法。
※2 対症療法型(事後保全型)管理
損傷が甚大になってから、対症療法的に対策を実施する管理手法。
※3 予防保全型(長寿命化型)管理
損傷が軽微なうちに、予防的措置を含めて対策を実施する管理手法。橋の長寿命化が図れる。